革靴(alden)に白い粉状の物の正体! カビ?

2022年4月27日

いつもAMOLIRのHPをご覧頂きありがとうございます。

さて最近暑くなってきたな〜って思っていたら途端に寒い日が急に来たりと体調を崩しやすいですね!

実は、こんな気候に合わせて革靴も変化があります。

下駄箱を開けて靴を見てみたら、、、、

alden

白い粉状や革に白い線などの物が革靴に付着しているのです!!

カビ!?いやでもカビ特有の匂いもないし下駄箱にある他の靴に移ってないし、、、

とそんな状態で当店に靴をお持ち頂く事があります。

私自身初見で見るとまず3つの原因の中から想定してお客様のどうゆう使用方法だったかなどをミーティングさせて頂いて軽いテストを靴にさせて頂き判断します。

 

今回は、白い原因4つをご紹介いたします。

1.カビ (臭い)

2.ブルーム (温めると溶けてしばらく出ない)

3.スピュー (脂肪:温めると溶けるがすぐ再発 塩:濡れた布で取れるが再発)

ききなれない言葉もあると思います。

まず1のカビですがこれは、説明いらないですね。

カビの場合判断する時は、臭いが一番わかりやすいです。

 

今回は、2番以降のお話です。

2.ブルーム

これは、ブライダルレザーのブルームと同じ原理です。光沢や革に強度をもたらす蝋成分や油脂多く含む革によくある現象です。

あえてその蝋を革の模様のように表現しているのがブライダルレザーになります。

※ネット画像参照

 

 

3.スピュー

スピューには、まず2種類あります。

・塩スピュー

・脂肪スピュー

塩スピューは、主に革靴製品に出来やすく雨などで濡れて履いた靴には、水分や汗の塩分が呼び水となり革に元々ある塩分を表面の皮革部分に出してしまい乾燥と同時に白くなるという減少となります。

よく塩吹きなどと呼ばれます。

革の製造工程の中で通常より塩分を残してしまった革ですとより塩スピューが出やすいと思われます。

乾燥して結晶化した塩スピューは、濡れた布で拭き取れますがまたしばらくして再発してしまいます。

改善方法は、一度クリーニング(洗い)をして余計な汚れや塩分を取り除きしっかり乾燥させた後に防水スプレーをかけることとなります。

クリーナーでの磨きの工程のみだとおそらく再発すると思います。

 

 

次に脂肪スピューは、革の衣料製品によく見られます。

まず白い症状が出てから塩スピューと同じように濡れた布では、脂肪スピューは取れません。

脂肪スピューも同じく製造工程の中で脂肪分が多く含みすぎている革におきる現象です。

脂肪スピューは、厄介で表面の油脂を取り除いても何度も再発します。

衣料製品の場合は、ドライクリーニングで多少軽減するらしいです。

脂肪スピューの場合は、白い部分に温風をかけると溶けてなくなるので脂肪スピューかの見極めが出来ます。

 

さて今回写真に載せたaldenの白い粉状の物は、ブルームでした。

コードバンは、元々油脂やロウを多く使って製造している為出来やすい素材かもしれません。

どうしてこうなったかと言うと気温差です。

暑い季節になり油脂やロウ成分が気温により緩くなり次の日に一気に冬の様な寒い気温で一気に凝固したのだと思われます。

ブルームによるこの症状は、油脂を抜く事やロウを全て取り除く事など出来ない上にコードバンにとって必要な成分でもある為取り除く作業では、なくしっかりコードバンの革に成分を押し込むような作業となります。

 

仕上がりがこちらです。

作業前

 

作業後

 

作業前

作業後

綺麗になくなります。

油脂やロウは、残されているので靴を使用して自然に抜けていく事で出にくくなります。

また同じような気温差で再発する可能性は、ゼロではないですが前より出にくくなっていると思われますし出たとしても対処方法は、お伝えしたので問題ないと思います。

 

コードバンのブルームは、決して悪い存在でなく革にとって必要な成分ですのでもし出ても対処しながら上手く付き合っていく事が重要です。

コードバンだけじゃなく牛革でも同じ症状が起きます。

お困りの際は、ご相談下さいませ。

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