ハーフソールラバー修理とは?  靴修理 革靴 小金井市

2020年4月25日

さて今回は、当店のハーフソールラバーの修理につい書いていきます。

ハーフソールラバー修理とは、新品時の革底にグリップ力や削れ補強などを目的に貼る場合や靴底がすり減りによって薄くなってしまう状態時の厚さ補強としても使われます。

その為ハーフソールには、厚みや耐久性、デザインの違いで種類様々とあります。

当店は、ビジネスシューズタイプの割合が高いので厚み補強と言うより革底の機能UPとして取り付ける事が多いです。新品時や少し履いてからのハーフラバーを取り付けたいなどの御依頼をよく頂きます。

通常のオックスフォードタイプの革底に貼るハーフラバーは、薄いタイプで1mm〜2mmなどを貼ります。

ハーフラバー修理は、修理店でよく依頼される修理の一つですが突き詰めていくと職人さんの技術や考え方に差が出る修理とも言えます。

当店でのこだわりをお話しすると新品時の靴のハーフラバー修理でよくお客様からあまりソールを削らないでほしいやコバを削らないでほしいなどお声を頂きます。

なぜこのようなお言葉が出るのか?

理由は、いくつかあります。

1.ハーフラバーの厚み分を削り落とすと思われているまたは、そうゆう修理をされた経験がある

2.ソールを削る際ガッツリ勢いよく荒いグラインダーで削りまくられた。

3.ソールを削ると糸も削り落とされていると思っている。

まず1についてですがよく靴底に元々ラバーとレザーがコンビになっている靴があります。

例えばこういったソールです。これを見るとレザー部分とラバー部分は、同じ厚みになるように形成されている為ハーフラバーは、こうなるべきと考えている方が多くいらっしゃいます。リフトとのバランスがあるからとも言われます。

しかしハーフラバーソールは、出来上がったソールへの後付けでの補強となる為ハーフラバーソールの厚み分ソールを削ると出し縫いの糸に到達し削り落とす事になりえます。

写真のソールを見て頂ければわかりますが写真の靴は、ラバーとレザーコンビで出来ているソールを貼り底縫いをかけています。これは、コンビデザインで作られた純正ソールとわかります。

このような形にしたいのであればオールソールでこの形のソールを作る事になります。

その為修理屋のハーフラバーは、後付け出来るよう1mm厚や2mm厚などの薄いラバーが採用されています。

2.3に関しては、この1のフラットに仕上げた方がいいと考える職人さんや機械やグラインダーの力で勢いよくスピード重視に削る方などの仕上げをされてお客様の中で疑念が出てしまうと思っています。

私も初めてて働いた修理店では、先輩の中には接着がつきやすくする為荒い番手の削るグラインダーで凹凸をつくる為とにかくソールを削れと教わりました。

 

凹凸をつける、わからなくないですが機械の馬力によっては荒い番手のグライダーで削るとめちゃくちゃ勢いよく削れます。

凄く早くできますが正直荒く仕上がりますし今後のソール寿命を間違いなく縮めていると思っています。

ただし新品時のソールの表面は、着色剤やロウなどがついていたりしますので(接着剤が効きにくくなる為)表面は、薄くしっかりだし縫いを落とさず削るが当店の考え方となります。

また以前からお伝えしているように縫い溝があまりにも浅いソールもあったりします。その場合どう薄く削ろうとも切れてしまうようなソールに関しては、お伝えした上で極力切らないようにやるか違う形を提案しています。

それでは、実際の作業写真となります。

今回の靴は、神匠のお品です。

まずハーフラバーを貼るラインを考えます。

位置としては、ウエストライン反りによる地面に接しない部分でラインを決めます。

また出来る限りウエストラインの下過ぎない箇所で余裕をもたせます。

理由は、ハーフラバーの交換の際に数回した場合毎回古い接着剤を除去する為再度削り落とさなければならない為同じライン位置を保つといずれライン位置が革が柔らかくなり亀裂にいつかは、なりうる為違うライン位置に切り替える余裕をもたせれる位置にラインを引いています。

そして今回は、ロゴや文字を残すよう考えたいですが文字位置が一番避けたい箇所なので隠しました。

まず靴が地面に接する場所やその近辺ギリギリだとラバーが剥がれやすくなったりラインの箇所が曲がる事で深く亀裂になってしまう為避けます。

ラインを引いたら当店は、革包丁などでラインにそって薄く漉きます。

グライダーで削っていきます。

全体やはじをしっかり削ります。

凄く削ってるようにみえますが糸も削らず実際1mmも削っていないと思います。

イメージになりますが0.5mm削り2mmハーフラバーを貼ったら1.5mmソール半分が厚くなるイメージでリフトのバランスもさほど左右されるレベルにないと思います。

ハーフラバー多少削って調整します。

特にウエストラインに貼る部分からソール真ん中部分にかけてハーフラバーも緩やかに厚い部分からウエストライン部分は、薄くなるように設定します。

新品時は、コバを削らずラバーのみを削るように仕上げます。

完成がこちら

今回は、1.8mm厚のハーフラバーを取り付けました。

一つの修理メニューでも職人さんによって考え方もやり方も異なります。

当店としては、この形が一番ベストであり理にかなっていると思っております。

ハーフラバーで気になる部分がある方がいらしたら是非お声かけ下さいませ。

今回は、ハーフラバー修理のこだわりについてでした。