今回のテーマは、「チャネル」靴底に縫われているステッチを浅い溝を掘る事で糸を接地面に当たらなくする溝の事をいいます。
溝を掘る作業の手法は、職人により様々ですが手作業でするならこの様な工具があります。
[ステッチグルーバー]これは、レザークラフトでも使われる工具になります。主に革用として使われています。
靴底用として作られた工具では、ないので溝の深さは、そんな深く掘れませんが状況に応じて使う工具です。
次に
靴底革用に作られた工具名前は、[ひょっとこ]現在ひょっとこ自体日本で入手困難な工具の一つになります。
これらの工具で革底の溝を掘り靴底を縫い付けていくのです。
そしてここからが本題ですがチャネルは、革底のみに施されているケースが殆どです。そこでなぜラバー(ゴム底)にチャネルは、施されないのか!
売られているゴム底タイプも縫われている靴は、ほとんどチャネルみられません。
それは、これらの工具でゴム製の物に溝を掘れないのです。またゴム底に溝の文化もあまりなかったのでしょうか。
しかし多くのお客様は、縫い糸が切れたら靴底が剥がれると思う方がいらっしゃいます。
靴底は、業務用接着剤をまず付けてから縫う為糸が例え切れたとしても簡単に剥がれるわけでは、ありません。
しかし縫いをかける事でのメリットもある為縫い糸が靴底みたら切れていたらなんか嫌な気持ちになります。自分もです。それにすぐ切れてしまうより少しでも永く切れないでいた方が良いに決まっています。
なので当店は、ゴム底にもチャネルが必要と考えています。
では、当店がどうゴム底にチャネルを作るかですが
まずゴム底に溝幅を設定して線を書きます。
その線に対し逆三角を作るイメージで切り込みを革包丁で入れていきます。色々試しましたが黒刃のカッターでも綺麗にいけます。
そうすると溝を作る事が可能になります。そしてハンドソーン(手縫い)で一針一針溝に沿って縫い付けていきます。
ゴムの上に縫い糸があるのと溝に縫い糸が隠れるのでは、縫い糸が切れる速度が圧倒的に違います。靴をより永く履いて頂く為の工夫になると思っています。
手間の掛かる作業になるのは、間違いないのですがラバーにチャネルも靴修理全体の流れになってほしいですね。
溝掘機というものも実は、ございます。
当店は、所有していませんがあんまり出回ってないのかたまに使ってる所を見かけます。
フィニッシャー(総合仕上げ機)に装着できる代物でゴムも革も溝が掘れます。
当店もいつか入手予定ですが私まず手作業で習得する事が私の手先をあげると思っているのでまずは、機械に頼らないようにしています。効率を先に手にしてしまうと機械が壊れた際何も出来ない事になってしまうので、、
しかしいつか入手したいと思います。
では、最後にこちらがチャネルなしラバー
でこちらがチャネルありラバー
小さい事の様に見えて大きな差が出るんです。