オールソールの工程
Before
Process
1 ヒール部分の革を一枚ずつ
丁寧に剥がします。
一般的に3~4層になっているヒールを一枚ずつ丁寧に剥がします。
(革素材の場合は飛び出たクギも
抜きます。)
2 ステッチを機械で削り、糸を切断していきます。
ウェルトとソールをつないでいる縫い目を解くため、薄く削って切断していきます。
3 アウトソールを剥がしていきます。縫い付けてある糸を一つ一つほぐしながらすすめます。
一見地味な作業ですが、オールソールにおいては非常に重要な作業です。
4 シャンクの状態、コルクの状態を確認します。
シャンクとは靴における背骨のようなもの。程よい柔軟性があり、また湿気を吸ってくれるので高級品ほど天然素材が使われることが多いです。
シャンクが折れている場合は新しいものに交換し、貼り直します。
5 コルクを詰め直します。
隙間ができないようにしながら新しいコルクを詰めていきます。
6 新しいアウトソールを立体的にカタチ作ります
シューズは平面ではないため、ある程度の曲線をあらかじめつけてから革を馴染ませます。
7 新しいアウトソールと靴底両方に接着剤を塗布します。新しい革は、接着剤を一度塗っただけでは吸い込んでしまうため、接着剤は二度塗りします。さらに、最大限の強度が発揮できるよう、少し乾燥させます。
8 乾燥後、接着面をドライヤーで少し温めて、接着力を引き出したら、アウトソールを固定させます。
9 圧着機でアウトソール全体をプレスします。
プレスをかけることでソールをしっかり接着させます。
10 圧着機は靴のヘリの部分までは圧着できないため、ソールのヘリをハンマーで接着させていきます。
11 余分な革をカットします。
ウェルトがあるものは、ウェルトの仮留めも同時に行います。
12 余分な革をさらに細かくカットしていきます。
13 アウトソールの縫製する箇所に溝を入れます。この溝をしっかり入れないと、靴底がすり減ったときに縫製した意図が切れてしまうため、しっかりと溝を掘ります。
14 ヒールブロックを接着するかかと部分を接着力が高くなるよう、ソール表面を少し削ります。
15 縫製には麻糸を使いますが、麻糸の強度を高めるために、糸にロウをしみこませていきます。
16 いよいよ縫製です。一針ごとに、たるみなどが出ないよう、丁寧に縫い付けていきます。
17 縫製が終わったら、ヒールブロックを成型します。靴の形に合わせて削ります。
18 ヒールブロックを先に着色します。
19 色を調合し、ソールに手早く着色していきます。色の様子をみて、場合によっては重ね塗りをします。
20 着色後、光沢を出すために、コテで表面、コバを滑らかにし、面取りもします。ソールに防水ワックスを塗布します。(飾りコテを入れる場合はこの時点で入れていきます。)
21 ヒールブロック、ソール両方に接着剤を2度塗り、乾燥させてからヒールブロックを接着します。
22 ヒールブロックを靴の内側(インソールの下)から釘をうち、ヒールブロックを固定させます。
23 ヒールブロックを靴の形状に合わせてさらに削っていきます。
24 ヒールトップリフトの接着前に。ヒールブロック面を削ります。この削り方のわずかな差が、靴のシルエットや歩きやすさにもかかわってきます。
25 ヒールリフトを接着し、釘打ちをします。この釘が飾り釘にもなります。
26 ヒールリフトに着色をします。
27 ヒールリフトを面取りしコテで滑らかにしていきます。
28 コバ部分を着色していきます。
29 コバをコテで滑らかに仕上げていきます。。
30 最後に磨き上げて完成です。