ソール剥がれ貼り直し修理 東京

2018年9月27日

今回は、ソールの剥がれを再接着する修理について書いていきます。

靴の修理屋においてよくある修理の一つですが靴底が縫われていないセメンテッド(接着)での靴底に関してスニーカーや革靴でよく剥がれかかった靴をお持ち頂きます。

実は、地味にこの再接着、知識や経験が必要となります。それは、後々言いますがまずなぜ剥がれてしまうのか色々な理由が重なり剥がれと至るのですが一つは、熱です。接着剤は熱により溶けていく性質があります。その為夏のアスファルトの温度の高さにより接着剤がゆるくなる事があります。 

また次に接着剤も年と共に乾燥や湿気により劣化するということです。

その為履かない靴ほど動きがなく湿気や乾燥により劣化の進行を加速させるのです。

その他にも理由は、あるのですが今回は剥がれた靴の再接着の仕方などを書いていきます。

今回剥がれた靴は、こちらの靴になります。

かかと部分から開き始めてきていますがこうなっていると手で簡単に剥がれます。

なので救いは、履いてる時に完全に剥がれなかった事ですね

またお客様で片足だけお持ち頂く方もいらっしゃいます。片足でもお受け致しますが。このように接着剤劣化になっている靴は、片足が剥がれていた場合もう片足も時間の問題な事がほとんどになります。

今回は、それを懸念して両足お受けいたしました。

もう片足は、少しくっつきが強かったですが手で剥がせるレベルでした。

こちらがアッパーとソールで外れた状態になります。再接着をする際外れた箇所だけ接着剤を入れるケースもありますが基本は、全剥がしが一番綺麗にくっつきます。

剥がしたソールと本体の接着面積には、過去の接着剤や色々な汚れが付着している為溶剤で落とした後落としきれないものに関しては、削り落とします。

当店は、細かな所ハンドリューターで削り落とします。

昔の接着剤などを落とさずに再接着剤をつけてもつきがかなり悪くなります。

削り落とした後にソールや本体の素材によってプライマーを添付します。

ここが特に個人では、出来ない工程になります。

プライマーとは、相性の合わない材質に添付する事でより接着剤の効力を高める下地剤になります。

材質によっては接着剤を塗ってもくっつきが悪い材質などがあります。

靴には、様々な材質が使われており革、スポンジ、ゴム、天然ゴム、ゴム入りスポンジ、プラスチックなどまだまだ他にも色々な材質があります。また本体側も革や合皮、化学繊などありそれぞれに相性がありプライマーもそれぞれの材質に合わされたプライマーが存在します。

これらの相性が理解出来ていないと普通に接着剤を塗ってもすぐ剥がれてしまうのです。

その為たまにお客様本人が市販の靴用接着剤で貼り付けていても剥がれてしまい当店にお持ち頂く事が多々あるのです。

話しは、戻りプライマーを添付したらよいよソールと本体に接着剤を塗ります。

乾燥させ半乾きよりやや乾き気味でソールと本体を張り合わせます。

そしてここも大事な点の一つで接着剤がついている状態なので張り合わせは、一発勝負になります。ずれてしまうと全ての工程がやり直しになるのです。またピッタリハマるような形状だと少しのズレも許されません。

これは、慣れの作業になります。

しっかりハマったらハンマーで叩いたり押したりしながら圧をかけていきますが手押しは、限界があります。なので最後は、圧着機という機械で圧を与えてよりくっつけます。

しっかりくっつけたら靴とソールを縛ったり重荷を加えた状態で1日置いて仕上がります。

最近では、靴用接着剤沢山出ていますがここまでの作業をやってしっかりくっつく物なので靴底の再接着は、私個人的には修理屋に出して頂きたいです。

もちろん自分で直せる方は、もちろん全然自分でチャレンジしてほしいのですが細かい除去作業が苦手な方は、是非お持ち下さい。

いつか接着剤についても書きたいですねー靴修理は、想像以上に一つ直すのに様々な溶剤や道具が必要になります。

こういった単純そうで手間や知識が必要な技術なんだと知って頂きたいので技術を惜しまずブログを書けたらと思います。

では、また次回お楽しみに