カウンターライニング (滑り革)靴修理一例

2018年9月19日

久しぶりのブログ更新となります。

今回のブログは、数ある靴修理の中の一つを御紹介いたします。

カウンターライニング(踵部分内側)

踵部分内側の革とは、どこなのか?言葉の説明が難しいので画像説明しますと…

この部分が踵内側になりライニングとは、靴の内側足の入る中側の革だったりを指します。

この画像の部分皆さんもよく内側の革が破れて中の芯材が見えたりした事ありませんか?

靴を履く際最後に力を加えて踵が入っていく為踵と擦れる回数が多い箇所になるので当然縫糸を切ってしまったり革が破れてしまったりいずれは、なります。

更に靴の表革と違いライニングの革は、柔らかく厚みも薄い為画像の様な状態になります。

そしてこうなってしまった部分を補強する修理がカウンターライニングと言います。では、修理の出来上がりというと

破れていた革をまず修正した後新たな革で補強します。

また気にせずに履ける様になります。更に再度交換も可能です。

靴修理を生業としているなら必ずある修理メニューになりますが私のこだわりのメニューの一つとなります。

単純な修理に見えますがすごく単純なようで職人の価値観が問われる修理の一つだと思ってます。

こだわり

1.新たな革を接着をしてさらに履き口の部分を縫い付けます。その際元の縫い穴のピッチ(間隔)で縫う事と糸の番手にこだわる事。靴の縫糸は、縫われている箇所により番手が違う時があります。番手と色を意識して縫う。

2.カウンターライニングの手法は、当店基本2種類の手法があります。ほとんどが同じやり方をしていると思われますが当店のカウンターライニングは、少し違います。

この少しがカウンターライニングの寿命を延ばしているとも思っております。

当店のカウンターライニングの手法を画像で説明いたします。

また従来の手法も当店は、やる場合もございます。靴の形状などによりやり方を2種類使い分けます。

従来のカウンター修理

まず踵内側の革の雰囲気に合わせてカラーを選び該当する滑り革を使います。下の写真のようにインソールをめくり革を接着で仮止めします。

その後外側の縫い部分を合わせて縫う事で当てた革も縫われます。

 

そしたら余った革を専用の工具で下の写真のようにカットして仕上がります。写真は、例なので縫い目がありませんが内側の革部分にも縫いのステッチが現れます。

また革を薄く漉いて履き口の厚さを調整したりします。

 

最後にインソールを再接着して完成。こちらが従来のやり方です。

次にもう一つの手法です。

先程と違い当て革の表の部分を仮接着し同じように外側の踵の縫いに合わせて縫い付けます。

縫い付けた後履き口のラインに沿って折り返し接着で止めて仕上げます。

こうする事で当て革は、しっかり縫われている上足の出入りする部分にステッチが無い為摩擦によりステッチ切れを免れます。

また従来のカウンターライニングは、最後余り革を切って仕上げますが足を出し入れし続けると切りっぱなしの革が引っかかってしまう事があります。

新しい手法は、折り返している為見た目的にも綺麗に収まります。

デメリットは、折り返す事により厚みが増す部分ですが革を漉く事や履かれていく事で革が馴染みます。

価格などは、こちら ←を押して下さい。